【連載コラム】アホな社長は衝動的に起業する VOL.2

男の家事教室・カジオス代表の尾上です。

今回は映画の紹介です。映画『護られなかった者たちへ』が10月1日公開になります。主題歌は桑田佳祐で、キャストは阿部寛、林遣都、緒方直人、倍賞美津子(敬称略)などなど。主演は佐藤健さんで、勤めている設定になっているのが石巻市に実在する株式会社宮富士工業という鉄工所です。宮城県内はもちろん全国的にも有名な溶接のプロ集団で、社長は「現代の名工」で黄綬褒章も受けています。

私はこの会社のせいで!?お陰で!?起業しました。宮城県に単身赴任し、トヨタの自動車工場建設に関わる仕事をしていた私を手伝ってくれていたのが宮富士工業さんです。石巻港のすぐ側にある宮富士工業さんは、3.11の津波が2階近くまでおし寄せ、工作機械や車など全てが海水に浸かり、工場内までヘドロで覆われましたが再起を決めました。車にガソリンが入れられて、食料が入手出来たので2週間後位に陣中見舞いに伺いました。そこでは、自宅も被災して食べる物もままならない大変な状況の中、従業員みんなでスコップを持って泥まみれになって工場内のヘドロをかき出していました。

壮絶な状況に唖然としている私に工場長が、「この先にもっと酷い状況の所があるよ。せっかく来たなら見て行きなよ。これからの尾上さんの人生にきっと役に立つよ」と言うのです。コレ、衝撃的でした。死にそうな思いをしながら生き延びて、自宅も勤め先も被災して、食べる物も満足に無い状況で、死に物狂いで復興を目指している人が、他人の人生を思い遣る。会社の愚痴を言いながら一生懸命風に働き給料貰っている自分がチープに思えました。人の潜在能力ってこんなに高いなら、自分ももっと頑張れるんじゃないかと思いました。

それで、それまで全く考えた事もななかったのに、この年に衝動的に起業しました。会社の登記は2011年7月6日です。起業してみて、私には潜在能力が無かった事に気付きましたが後の祭りでした(^^;借金と起業は計画的に!震災から10年、起業して10年。もし機会があれば『護られなかった者たちへ』ご覧下さい。当然、後藤社長はじめ社員の方々も出演しています。

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